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今更ですが、デフレスパイラル

ここのところ、一時1㌦81円を下回ったりしている為替ですが、合わせて淋しい記事や話題を多く目に、耳にするので今日はそれについて書いてみます。


これはNew York Timesの記事。(とてもよく書けているなぁ、という感想。)
http://www.nytimes.com/2010/10/17/world/asia/17japan.html

記事の題を意訳すると: 「かつて活力に満ちていた日本、今は意気消沈」

1990年頃にバブルがはじけてから、ゆっくりと経済は下降していって、デフレが続き、かつて日本に注目していたエコノミストたちも今は見向きもしない。
日本では(デフレや不況の)問題を先送りにしてきて、でも最近ようやく経済のやばさに多くの人が気付いてきたけれど、この間、既に「アニマルスピリッツを失った草食男子」が増え、とにかく消費をしない20代が育ってしまっている、と。経済をもりあげるためには消費や投資や、創造的破壊が必要なんだけど、今の働く世代ではそれを実現できる人がいないようだ…という話です。デフレを通してリスク回避のメンタリティーが強まって、資本主義の発展に必要な投資が行われない、っていうことかな。

ちなみに、今のアメリカも、かつてバブル後の日本が直面したみたいな状況にあると言われるけれど、記事曰く多くのエコノミストたちは「greater responsiveness of the American political system and Americans’ greater tolerance for capitalism’s creative destruction」(政治的な対応の速さと、資本主義の創造的破壊を支持する国民性)のため、日本ほどひどくならないだろうと予想しているそうです。


それにしてもmicrohouseって何?
記事曰く、コンクリート製のマイクロハウスなる住居が今、(金銭的な理由で)普通の住宅に住めない若者の間で人気だ、と。「これらマッチ箱大の家は、スポーツカー一台とめられるかとめられないかくらいの小さな土地の上に建てられていて、それでも、クローゼット大の寝室が3つ、スーツケース大のクローゼットや、潜水艦にこそふさわしいっていうくらい小さなキッチンが備わっている」と記事には書いてありました。そんな家、やだよ~~~。


アメリカのGDPは1991年頃から倍増しているけれど、同じ間、日本のGDPは同水準のまま。今回、中国にGDPで抜かれたのはいいとして、でも1人当たりGDPを見てもかつて世界のトップスリーに入っていたのが今はずるずると20位近くになっているんだね。更にこの先数年で(高給取りの人達が)多く定年退職したら…

創造的破壊やリスクテイキングをしろと言われてもそういうことを奨励する教育や文化じゃないから、難しいよなぁ、と私は思います。

仕方ないけど、さみしいなぁ、と思う今日この頃。
ビジネススクールでも、中国やインドの話は毎日でるけれど、日本は全然話題に上りません。
今年以降、トヨタさえも自慢にならないし。。


最近記憶しているところで、日本について人に聞かれたことは…
Wall Street Journalで先月話題を集めた記事について。かつて新婚旅行のメッカだった熱海という温泉街が今は人気がた落ちなんだけど、最近、バーチャルな恋愛ゲーム(Love Plus+)とコラボして、オタクをひきつけている、みたいな。
詳しくはこちら⇒ http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703632304575451414209658940.html


これもよくまとまった(けど明るくない)記事: Yen Gains as Japan Sinks Shows Current Account Surplus No Boon
http://www.bloomberg.com/news/2010-10-17/japan-sinks-on-strong-yen-as-current-account-surpluses-are-shown-overrated.html

by nina_anin | 2010-10-19 09:31 | 最近思うこと
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Duke大学のFuqua School of Business留学日記です


by nina_anin
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