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財務諸表関連アナロジー その2

前回のブログ記事にも書いた、Financial Statements Analysisの教授は(前回のキングコングの話同様、)面白いアナロジーを使います。
以下、アナロジーの話に至るまでの前段(前回の授業の紹介)が長いですがご了承を。


昨日の授業は企業のEarnings Quality(“利益報告の質“?)について。
扱ったケースでは、パフォーマンスが急速に落ち込んでいた会社の経営陣が(営業活動の改善に加え、)会計報告上の変更をいくつも行ったために、事業が(変更前の報告方法と比較して)とてもよく(=多く)見えるようになった、と。その結果、お金を以前より借りられるようになった上、株価も市場に追いついた、っていう話です。
会計報告の変更って、例えば、引当金や年金費用の計算や償却方法を変更したり、製造を外注している製品の売り上げの計上方法を変えたり、等など。

授業のテーマは:
「(一般的な)投資家はこの会社の事業改善が営業活動由来なのか、会計由来なのかをどこまで見抜けるか?」
「何を持って正しく企業の(純)利益を計れるか?」
ってことでした。


授業のオチは、「『正しい利益』がどの数字なのかっていうコンセンサスは得られない。そのためにこそ財務諸表を理解する能力が必要で(←要はこの授業を受けてる意義)、具体的には『正しい利益』の代替的な指標としてCFO(営業活動によるキャッシュフロー)等を見たりするんだよ」と。


今回扱ったケースで(大雑把に)いうと、「会計方法の変更により利益がぐっと上がって見えるのは…」
「ずっと以前に定めた会計方法が現在の環境とずれてきてしまっているのでそれを現実に即して補正しただけ」なのか、
それとも「諸々の動機(=悪意)があって、利益が実際よりも多く見えるように会計方法を操作したのか」??


上述の通り、善意と悪意の会計報告を見極める方法は明確にアウトラインできないけれど、教授曰く、「見ればわかる」と。
「It’s like identifying if a piece is art or pornography (ある作品が芸術かポルノかを判断する時ととても似ている)」
その心は、「何をもって芸術かポルノかを言葉で明瞭に条件づけたり定義したりはできないけれど、見れば判断がつく」らしいです。。。
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by nina_anin | 2010-09-28 14:44 | Fuqua

KingKong


最近、Financial Statement Analysis(財務諸表分析)の授業に力を注いでます。超めんどくさい作業が多いし、私の苦手な会計が深く絡むんだけど、大事な内容だから頑張ってます。今週のテーマは見積財務諸表の作成とそれに基づくバリュエーション。要はEquity researchみたいなかんじでひたすら年次報告書をめくったり、エクセルをいじったり…

そんな今日この頃、教授がみんなに充てて送ったメールにこんな内容が含まれてました:
“Pro forma may appear daunting at the beginning, but I like to think of it as King Kong. Tough at first sight, but after you get to know it (and we’ll have plenty opportunities to with Fastenal case, Adelphia and the final project), it is just a giant with a soft heart that can give you back so much love. ”
「見積財務諸表作成は初めは手ごわいと感じられるけれど、キングコングみたいな存在だって思うんだ。一見、恐そうだけど、よく知ると実は心やさしくて沢山 愛し返してくれるんだよ。」

「ほんとかよ~~~?!」と思いながら今日の課題を仕上げました。

おやすみなさい!
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by nina_anin | 2010-09-23 13:46 | Fuqua

交換留学

3月5日のエントリーでちょっと紹介した、私のFuquaでのベストフレンドJちゃん(←料理上手の、超個性的なカナダ国籍中国人)が来年の1月から1.5ヶ月、交換留学をすることになりました。

沢山の交換留学先がある中、Jちゃんが応募したのは枠がたった一人分しかない学校。
そんな競争の激しい抽選を潜り抜けてゲットした行き先は… 慶応ビジネススクール!!

Jちゃんはその間、日吉に住むらしい! 
懐かしいよぉ!!

そして仲良しの友達が日本/東京をとっても好きで、私の母校に留学するだなんて(Jちゃんの一番の関心事は「20 minutes to Shibuya!!」なんだけどね)かなり嬉しいです☆
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by nina_anin | 2010-09-22 14:10 | Fuqua

EuronexのCEO

先週、NYSE EuronextのCEO, Dunkan NiederauerさんがFuquaにスピーチをしに来てくれました。
彼はゴールドマンで22年勤めた後、2007年からEuronextなんだけど、今回のスピーチでは自身の経験、学生に向けてのアドバイス、米国の政策に関する考えなどなどを気さくに共有してくれました。
この手のレクチャーはいくつも聞いてきているけれど、この人はとてもengagingでpersonalでinspiringでした。


印象に残った話をいくつか:
- CEOの仕事は主に3つ:Know what you know, what you don’t know, and be honest about it. 要は、CEOたるもの自分の理解していることとしていないことを素直に自覚すべし、ってことかな。曰く、2008年の金融危機も、リーダーであるCEOが自社のやってる事業内容をちゃんと理解せずことを進めていた結果だ、と。

-(「今後ストックマーケットで働くなら地域としてはどこがお勧め?」という学生の質問に対して:)「NYC,中国、ブラジル、インド」。曰く、「ロンドンはこの先しばらくキビシイ」「東京は、(自分も家族と4年以上住んだとても好きな街として)とっても残念だけど、just not a lot going on (=盛り上がりに欠ける)」

-キャリア構築に関して:「Cast a wide net; work hard; know yourself; grasp the break when you get it, and hang on to it」(広く網を掲げて、努力を欠かさず、自分がどんな人間でどんな望みがあるか等を理解して、チャンスが巡ってきたときにはそれを捉えて話さないこと) ここでは詳細は省略しちゃうけれど、DunkanがGSで仕事を経た経緯も努力とかなりのserendipityと意思によるものだった、と。


とってもお話上手で見た目も素敵な人だったけれど、どうやら、毎回講演後にフィードバックを積極的に求めてそのたびに改善に努めているそう。すごい人はわけあってすごいんだなーと思いました。

以上!
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by nina_anin | 2010-09-22 14:02 | Fuqua

小自慢

ここ Durham はとっても住みやすいのですが、この度、CNNのランキングで「Best Place to Retire」(退職後に住む街No.1)に選ばれました!
http://money.cnn.com/galleries/2010/real_estate/1009/gallery.best_places_retire.moneymag/index.html

曰く、「退職者のメッカ」!
極端過ぎない四季があり、住まいの価格もOK、ゴルフコースや公園地も豊富で、名高い大学病院もある、と。
美術館や劇場も立派な「cultural haven」で生涯学習の機会も豊富、などなど。

私はもちろん退職者ではないけれど、この街大好きです。

今はまさに秋の始まり、天気も気温もとっても気持ちよくて、紅葉も少しずつ始まって。。。

Durhamは田舎だけど車で20分の隣町(Research Triangle Park)はSan DiegoとCambridge(MA州)と並ぶバイオテクのハブなのです。

ゴルフも、そこそこのコースが平日ならカート付きで18ホール25ドルだし♪ (←私は全っ然、行けてないけれど)
日本でもマーケティングしてるBurt’s Bees(化粧品)もダーラムです。
あと、Durhamではないけれど、同じNC州はKrispy Kreme Donutsの州でもあります!

以上、ダーラム自慢でした。
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by nina_anin | 2010-09-22 13:42 | USA

Lancetに…

昨日アップした記事にかなり紛らわしい変換ミスがあったから「編集」しようとしたら間違えて「削除」しちゃった。。。
朝から超ショック!! (背景を変えたらボタンの位置が変わってた… そして字が小さくてちゃんと読まなかった…)
なので超悲しいですが同じ内容の記事をもう一回書いてみます:



Fuquaの三人の教授の研究をもとに、数年前にFDAでPriority Review Voucher for drugs for neglected diseases(「顧みられない疾患のための新薬に与えられる審査期間短縮券」みたいなかんじ?)が設定されたことは以前にも少しブログした気がしますが…

簡単に説明するとこれは、患者数/市場があまりに小さいってことが大きな理由でこれまで製薬メーカーの投資対象にならず、「顧みられない(=neglected)」疾患がかなりあるんだけど、そういう疾患を対象とした新薬の開発を促進しようという目的で設計されています。
Neglected disease用の新薬を申請し、認可されると、おまけのご褒美としてPriority Review Voucher がFDAが与えてくれるよ、っていう話。このvoucherはつまり、「今後申請する任意の新薬の審査期間を通常の1~2年から約6カ月に短縮してあげるよ券」です。製品によっては、特許で守られた販売期間が数カ月でも長くなるのは金額に換算してけっこうな額になるんです。けど、≪特許期間の延長≫っていうふうにお尻を繰り下げるのはとってもややこしい&政治的(患者団体含む)にも逆風が強いので、このvoucherみたいに頭を繰り上げるのってとても効率的ってわけ。しかも、メーカーにとっては魅力的なご褒美だけど,FDAとしては追加的な費用は限りなくゼロです。(審査期間を短縮するための追加的な人件費等はそのメーカーが負担するっていうルールになってるから)
細かい話をすると問題点もいくつかあって、このvoucherが実際に発行されてたのはNovartisのCoartem®だけなんだけどね、今のところ。


以上、前置き。(長くてごめんなさい!)
私が先期お世話になった教授が最近、「この制度をEUでもやりましょう」っていう旨の論文を書きました。
で、私もちょっとレビュー(添削・コメント提供)を手伝ったんだ。(私だけじゃなくて教授の教えてるPhDも何人か)

その論文がこの度、Lancetにパブリッシュされました!!(←Lancetは医療系のジャーナルで世界屈指)

http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(10)60669-1
http://faculty.fuqua.duke.edu/~dbr1/research/eu-prv.pdf

文末に小さくだけど、私の名前がAcknowledgementとして掲載されて、超嬉し~~~~~!!!

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by nina_anin | 2010-09-15 21:21 | HSM

意外に面白い授業(今のところ)

今期の授業もとってもおもしろいです。

例えば、Financial Statement Analysis
あんまり魅力的な授業名じゃないけれど、「今後働く上で財務諸表を読めなくては!」と思って受講しました。
が、ふたを開けてみたら実はとっても面白くてびっくり!(←今のところ)

初回の授業はTargetとCostco(ビジネスモデルが異なる大手スーパーチェーン)の役員報酬の設計について読んで、その意味や利点、問題点などについて議論しました。
成果報酬?キャッシュ?株?オプション?役員の構成は?などなど。
これまでの色んな研究の結果、CEOの給与は適正ではない、みたいなことになってるらしいです。っていうのは、CEOの影響の範囲外の要因による上がり下がりが大きい、などなど。
それから、成果報酬の採用とモラルハザードは相関関係にある、とか。。。


2回目の授業はROA, ROE, ROICなどの指標の計算方法をおさらいして、その意味や会社間やWACCとの比較方法など。


3回目の授業は、提出課題として、あるOEM下請け会社(1999年現在、上場して数年)の財務諸表を分析して、この株が買いか売りかをレポートするっていうのがありました。このケース、売上げや利益が右肩上がりに伸びていて絶好調の会社なんだけど、私のチームは「(空)売り!!」という結論に達しました。クラスの中では少数意見だったんだけど、授業の最後で教えられた後日談として、この会社は実は不正報告をしてその後つぶれた、とのこと♪  私のチームは私以外はPEや投資銀行、監査法人などの経験者で、私はあんまり貢献してないんだけどね。でもいっぱい学んでる気がする!(気のせいじゃありませんように!)
売上げや利益や利益率などだけじゃなくて、流動性、キャッシュポジション、キャッシュの必要性(スタートアップか、安定期か、サプライヤーは?)、回転率、資金の調達方法や利子、役員のインセンティブ設計、それから、それらが規模や事業の似ている競合とどれだけ相違があるか、などを考えると、怪しかったんだよねーーー。

この授業(FSA)は日本語では財務諸表分析だけど、私の想像していた「いろんな指標を見てあーだこーだ比較したりする」っていうことよりも、10K(年次報告書)の定性的な内容を読み込んで、それと各指標との関連を推理したりするっていうのが主です。授業の半分は定性的に業界や戦略について分析して(数字はほとんど扱わない)、それぞれの「so what?」を考えます。推理小説とかパズルみたいで超面白いです。
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by nina_anin | 2010-09-15 12:58 | HSM
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Duke大学のFuqua School of Business留学日記です


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