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Fall1の授業ではゲノミクスも扱ったよ

今期受講した Biotech – Management of Drug Discovery- という授業はほぼ毎回、色んなゲストスピーカーが来て一時間くらいレクチャーをしてくれました。毎回、残りの1時間はKevin Schulman教授がレクチャーしてくれて、複雑な定量的モデルも使って医薬品のR&D投資や資金調達について学んだり、レポートを書いたりしました。
KevinはFuquaのHealth Sector Managementコースをまとめているだけじゃなくて、他にもDuke Medicine(医学部)とかいろんなところで要職を務めているらしく、学外の企業のアドバイザーをしていたりもします。この同じ授業をFDA(日本なら厚生労働省)でも教えているらしく、かなり濃密な授業です。


さて、Biotechの授業で特に印象に残ったゲストスピーカーは何人かいるけれど…
最後の授業に来てくれたAlnylam社のBarry Greeneもその一人。
この人、以前はMerck/AstraとかMillenniumとかにいて、Nexium(”purple pill”のマーケティング成功例が有名。オメプラールの次世代品。)やVelcade(日本ではJ&J/ヤンセンがライセンス販売)のローンチに深く携わったスゴイ人らしく。一時期コンサルタントでもあったそう。
今はAlnylam という若くて小さい会社に参加してリーダーシップを発揮しています。

何がおもしろいかって、このAlnylamはRNAiのテクノロジー(特許)をほぼ独占していて、少しずついろんな製品化に向けて自社内や、ビッグファーマとライセンス契約をしたりして開発しているの。(ちなみに、RNAiの技術から、標的因子を替えることことにより何通りもの治療法が開発できるはず。だから、この会社は保持している大きなテクノロジーはほぼ、RNAiのみなんだけど、応用範囲が広いので将来有望、というシナリオ。)Alnylam社には沢山の研究者も所属していて、論文発表とかもいっぱいやってるんだってさ。

RNAiの「RNA」はリボ核酸(DNAと対で遺伝情報の伝達を担う)。「i」は「interference(干渉/阻害)」の頭文字。超簡単に説明すると、RNAiは(siRNAやRISCという物質を介して)DNAの特定の部分が複製されるのを妨害するしくみです。
これまで、花とかミミズみたいな生物で研究されてきたんだけど、人間では免疫反応が働いたりしてなかなか応用できていなくて、けどsiRNAという、短い物質が使われるようになってからだんだん治療への応用も現実味が増してきた、みたいな。
RNAiを活用して、癌とか特殊な疾患の病気を発現させちゃう遺伝子をサイレンシング/抑制できる、って考えて色んな研究がおこなわれています。
おもしろいよ~~~。


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Alnylum社ウェブページより
http://www.alnylam.com/Global/Media_Library.php
http://www.alnylam.com/Files/Media_Kit/ALNY-ILLUS_02_RNAiTherapeuticMechnsm.jpg
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by nina_anin | 2010-10-20 01:46 | HSM

Lancetに…

昨日アップした記事にかなり紛らわしい変換ミスがあったから「編集」しようとしたら間違えて「削除」しちゃった。。。
朝から超ショック!! (背景を変えたらボタンの位置が変わってた… そして字が小さくてちゃんと読まなかった…)
なので超悲しいですが同じ内容の記事をもう一回書いてみます:



Fuquaの三人の教授の研究をもとに、数年前にFDAでPriority Review Voucher for drugs for neglected diseases(「顧みられない疾患のための新薬に与えられる審査期間短縮券」みたいなかんじ?)が設定されたことは以前にも少しブログした気がしますが…

簡単に説明するとこれは、患者数/市場があまりに小さいってことが大きな理由でこれまで製薬メーカーの投資対象にならず、「顧みられない(=neglected)」疾患がかなりあるんだけど、そういう疾患を対象とした新薬の開発を促進しようという目的で設計されています。
Neglected disease用の新薬を申請し、認可されると、おまけのご褒美としてPriority Review Voucher がFDAが与えてくれるよ、っていう話。このvoucherはつまり、「今後申請する任意の新薬の審査期間を通常の1~2年から約6カ月に短縮してあげるよ券」です。製品によっては、特許で守られた販売期間が数カ月でも長くなるのは金額に換算してけっこうな額になるんです。けど、≪特許期間の延長≫っていうふうにお尻を繰り下げるのはとってもややこしい&政治的(患者団体含む)にも逆風が強いので、このvoucherみたいに頭を繰り上げるのってとても効率的ってわけ。しかも、メーカーにとっては魅力的なご褒美だけど,FDAとしては追加的な費用は限りなくゼロです。(審査期間を短縮するための追加的な人件費等はそのメーカーが負担するっていうルールになってるから)
細かい話をすると問題点もいくつかあって、このvoucherが実際に発行されてたのはNovartisのCoartem®だけなんだけどね、今のところ。


以上、前置き。(長くてごめんなさい!)
私が先期お世話になった教授が最近、「この制度をEUでもやりましょう」っていう旨の論文を書きました。
で、私もちょっとレビュー(添削・コメント提供)を手伝ったんだ。(私だけじゃなくて教授の教えてるPhDも何人か)

その論文がこの度、Lancetにパブリッシュされました!!(←Lancetは医療系のジャーナルで世界屈指)

http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(10)60669-1
http://faculty.fuqua.duke.edu/~dbr1/research/eu-prv.pdf

文末に小さくだけど、私の名前がAcknowledgementとして掲載されて、超嬉し~~~~~!!!

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by nina_anin | 2010-09-15 21:21 | HSM

意外に面白い授業(今のところ)

今期の授業もとってもおもしろいです。

例えば、Financial Statement Analysis
あんまり魅力的な授業名じゃないけれど、「今後働く上で財務諸表を読めなくては!」と思って受講しました。
が、ふたを開けてみたら実はとっても面白くてびっくり!(←今のところ)

初回の授業はTargetとCostco(ビジネスモデルが異なる大手スーパーチェーン)の役員報酬の設計について読んで、その意味や利点、問題点などについて議論しました。
成果報酬?キャッシュ?株?オプション?役員の構成は?などなど。
これまでの色んな研究の結果、CEOの給与は適正ではない、みたいなことになってるらしいです。っていうのは、CEOの影響の範囲外の要因による上がり下がりが大きい、などなど。
それから、成果報酬の採用とモラルハザードは相関関係にある、とか。。。


2回目の授業はROA, ROE, ROICなどの指標の計算方法をおさらいして、その意味や会社間やWACCとの比較方法など。


3回目の授業は、提出課題として、あるOEM下請け会社(1999年現在、上場して数年)の財務諸表を分析して、この株が買いか売りかをレポートするっていうのがありました。このケース、売上げや利益が右肩上がりに伸びていて絶好調の会社なんだけど、私のチームは「(空)売り!!」という結論に達しました。クラスの中では少数意見だったんだけど、授業の最後で教えられた後日談として、この会社は実は不正報告をしてその後つぶれた、とのこと♪  私のチームは私以外はPEや投資銀行、監査法人などの経験者で、私はあんまり貢献してないんだけどね。でもいっぱい学んでる気がする!(気のせいじゃありませんように!)
売上げや利益や利益率などだけじゃなくて、流動性、キャッシュポジション、キャッシュの必要性(スタートアップか、安定期か、サプライヤーは?)、回転率、資金の調達方法や利子、役員のインセンティブ設計、それから、それらが規模や事業の似ている競合とどれだけ相違があるか、などを考えると、怪しかったんだよねーーー。

この授業(FSA)は日本語では財務諸表分析だけど、私の想像していた「いろんな指標を見てあーだこーだ比較したりする」っていうことよりも、10K(年次報告書)の定性的な内容を読み込んで、それと各指標との関連を推理したりするっていうのが主です。授業の半分は定性的に業界や戦略について分析して(数字はほとんど扱わない)、それぞれの「so what?」を考えます。推理小説とかパズルみたいで超面白いです。
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by nina_anin | 2010-09-15 12:58 | HSM

今日はオバマがNC州に来たよ

今日の授業はこんな感じ。

① Managed Care
② Health Reform
③ Government Roles in Health Care and Politics of 2009
~Daiichi Sankyo Sponsored Lunch~
④ Health Care IT
⑤ Public Health Delivery System
⑥ Course Review, Discussion, Q&A

授業は5時に終わったけれど、そのあと約2時間のグループワーク。
今回のグループはみんなとてもcollaborativeで、積極的に参加し、能動的に貢献し、とても効率的&生産的に作業を進められています。
他のグループでは真夜中過ぎまで議論したりしているところもあるみたいだけど、
私たちのグループは色々と議論をしながらもうまくやっています♪

女性3人男性3人のグループなんだけど、特に女性がバラバラの人種なのがおもしろいな、と今日気付きました。
私はオリーブ色の肌で平らなfeaturesの東アジア人だけど、一人は白人&金髪(アングロサクソン)で、もう一人は濃い茶色&掘り深&真っ黒髪(インド系)なのだ。
見かけはこすっごくバラバラなのに、みんなペラペラ英語を話していて、議論やプレゼンでは意思疎通しているのがなんだか不思議な感じ。
「インターナショナルなビジネススクールに来たんだ」っていうのをなんだか実感。


今日の授業で一番おもしろかったのはPublic Health関連のもの。
講師はスライドを1枚も使わず、ひたすらインタラクティブな進行でした。
「Public Health」とは何か?
「Public Health」のカバーする具体的な内容は?
っていう問いについて色々な議論が交わされました。

PHの一つの定義は「insuring conditions in which people can be healthy」で、

具体的な内容例としては:
health disparity の解消
hog waste 管理(livestock 関連hazardの管理)
tobacco restriction
sanitation, air pollution
controlling spread of diseases (pandemics, vaccination, bio-terrorism...)
obesityの解消
promoting physical activity(含む都市設計へのinvolvement)


Public Healthはコミュニティーの人の健康維持にとても効率的に貢献していて、
歴史的に、医療よりもインパクトが大きい らしい。

この分野にとても興味を掻き立てられました。

近いうちに勉強しようと決めました。


今夜はこれから 明日のプレゼンの練習 をし、
managed healthcare (アメリカの医療制度等について)の分析レポートを読み込みます...
(--)zzz...
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by nina_anin | 2009-07-30 10:17 | HSM

アメリカって

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アメリカはなんでもスケールが大きい(大雑把ともいう)けれど、

今日の授業中、カリフォルニア出身のクラスメイトが飲んでいたのはこんなペットボトル(?!)でした→
(これは休み時間に撮った写真)

私も水分をとる方だけれど、さすがにびっくりしました。。。

1gallonじゃん。。。





今日も授業がみっちり。
内容は省略・割愛します。


① Hospitals, Physicians, Post-acute and Long-term care
医師の需給ギャップなど。


② Entrepreneurship in Health Care
Duke大学発の新技術(医療関連もそれ以外も含む)をどうマーケットに持って行っているか、など。


③ Global Business Development- Challenges and Opportunities
  メルク本社から卒業生が来場。主にメルクのワクチン事業について講義。



~今日のランチはメルク提供~
タコス。おいしかった♪
そして再びグループワーク。
高コレステロール血症治療薬に関してRSA (Risk Sharing Agreement)を導入すべきか否かについて、Medicare/Medicaidの立場になって発表しなくちゃいけないんだ。

RSAとは: 保険機構と製薬メーカーの間で薬剤が効くか効かないかというリスクを負担しあう、というスキーム。「薬が予定通り効いたら(処方された患者のうち、○○%が治療目標に達したら)、薬代を支払うよ」というかんじ。既に数カ国で実践されているんだけど、とある薬が一定以上の効き目を示さない限り、薬代を(保険機構が)支払わない、というもの。(アメリカでは薬代は保険機関が直接メーカーに支払う仕組み)
もちろん効き目の期待値は患者群(リスクの程度等)によってtierワケされているし、それなりに洗練された指標があります。
制度が違いすぎるから日本に輸入するのは難しいしくみでしょう。


RSAはどの疾患/薬剤でもできるわけではなくて、短期間で治療効果が測定可能なものに限るし、多大な事務負担費用が発生するので、総額が高額の薬剤じゃないと経済的に意味がありません。
あと、メーカーの立場としては、アドヒアランスを向上させるインセンティブが発生します。

木曜日の朝、各グループがPfやAZや保険会社や政府などの立場をassumeして発表しあうのだ。。。



④ Health Care Finance & Venture Capital
私は相変わらず、ファイナンスがおもしろいと感じられない。。。
単調な授業で眠気ピーク。


⑤ Don Berwick "Quality of Care" ~video and discussion~
「ケア」は情報の開示を含む、というか、「情報の透明生は『ケア』そのもの」という話が印象に残った。

アメリカの医療サービスの質が低い、ということも。
「医療に限らず、アメリカはかなりのサービスが劣悪なのでは。。。」と密かに思いました。
個人主義文化とも関連しているのかと思いますが、個人の業務が垂直に分かれているというか、うまくintegrateされない傾向があるのでは。



⑥  Health Economics and the Future of Health Care
日本もやばいけどアメリカはもっと相当やばいね。(人ごと)


Amgen sponsered cocktail reception
今日も1日3食おやつ付きでした♪


帰宅後はジョギング&宿題。。。
明日からルームメイトが来るから、この散らかった家の中を片付けなくては。。。 ←これが一番気乗りしない
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by nina_anin | 2009-07-29 13:19 | HSM

day 2

朝、6時半に起きてから30分ほどジョギング。
シャワーしてから8時過ぎに登校しました!(張り切りすぎ)

今日もみっちり授業。
馴染みのないコンセプトや単語の連発、
超早口のレクチャー 等々でついていくのに精いっぱいでした。

徐々に慣れるのかな・・・?


それにしてもずっと日本語を発さないというのは意外にストレスです。。。
まだ渡米直後だから特にかもしれないけれど、自分が日本人だということをここまで実感するとは思っていませんでした (T T)

日本食と日本語から離れると体&頭が拒否反応を示す、というか。。。
日本人同期がいっぱいいてよかった♪


さてさて、今日の授業のおさらい

① Pharmaceutical, Biotechnology, & Medical Device Industry Overview
業界のおさらい。
とはいえ、早口の講義&1時間で60枚以上のスライド...


② Ethical & Financial Challenges at the End of Life
死に際に提供される医療について。
「治療」にフォーカスしている状態から、だんだんと「QOLの確保(沈痛、ホスピスetc.)」に移っていき、最期このフェーズが最も医療費のかさむとのこと。
けれど、どんなサービスを望ましいとするかは、とても個人的なイシューなので決まったプロコールはデザインできない。本人の元気な時に行うliving willやインフォームドコンセントについて考えました。
答えのないテーマ(特に子どもや痴呆などについて考え始めると尚更)だけど、生きてる人間全員が自分の問題としても考えなければならない問題だよね、と。


③ Health Care Law & Ethics
ソクラテススタイルのインタラクティブな講義。
「医療訴訟の金額が増加しているのはなぜ?」という問いから始まり、
「医療事故の責任の所在」について議論したりしました。

「功利主義的な社会の全体最適が達成されるように個人が(リスク管理などの)選択をするように法を設計するべき」というのがディスカッションのオチ。
クラスには医師も多くいるし、保険業界出身の人等もいて、いろんな観点からの意見が飛び交ってとてもエキサイティングな1時間でした。


~チームメンバーとランチミーティング~
木曜日のプレゼンについて練る。
コンサル出身の人がうまく仕切ってくれて助かりました。


④ Drug Development & Cycle of Evidence
ノバルティスのグリベックが例に出されていてちょっと嬉しかった☆


⑤ Challenges - Business Case for Quality and Safety
医療サービスの質をどう担保するか?
医療サービスの質の格差をどう考えるか? など。
ある調査によると、 白人>黒人、 男性>>女性 という格差が存在するとのこと。悲しい。

そもそも医療の質を計測すること自体がとても困難。
USでとてもインパクトのある「いい病院」ランキングのクライテリアとして、「評判」が30%以上のウェイトをカウントされていて、全体のランキングと最も相関があるとのこと。だから病院は医療の質の向上よりも、知名度やイメージの向上(いわゆるマーケティング活動、PR活動)に力を注ぐという現実があるらしい。
ため息。


⑥ Comparative Effectiveness Reasearch, Quality & Value
アメリカなどでは、政府主導で薬や機器の有用性を評価する試験/研究を今後どんどん増やすらしい。(オバマ予算がいっぱいついてるし。)
業界のメーカーへのインパクトは多種多量と予想されます。


夜は、
~J&J Sponsered Dinner~
J&JはFuqua生最大の就職先。
年末までにFuquaにてJ&J関連イベントがなんと14回もあるらしい。。。


明日は朝8時に集合してチームワーク。

それに向けて今からリサーチ&読書をし、スライドのたたき台を作らなくては!
なんだかいよいよMBA生っぽい生活になってきました。
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by nina_anin | 2009-07-28 11:39 | HSM

Bootcamp 初日!!

授業初日!!

今日は一言も日本語を話しませんでした。
ずっと英語は疲れる!!


朝、ブルガリア美女Tちゃんをpickupしてから学校へ。
カフェテリアでサインアップ&教材受取りをして、朝食ゲット。
アメリカの教材類はどれもとてもbulky&heavy! 大きいガタイ&車生活ゆえかな?
今朝はスクランブルエッグとソーセージとワッフルでしたが、きっと同じメニューが今週いっぱい続くのでしょう...(T T)  


9時から授業開始でした!

ちょっとしたオリエンテーション的な話の後、4時半までみっちり授業。
といってもレクチャー主体なので、基本的に座っていればOKなのですが。一日中座りっぱなし&集中し続けるという生活にしばらくご無沙汰していたので意外に大変でした。(面白かったけどね!)


授業と主なtakeaway messagesはこんなかんじ:

① Following the Health Care Dollar
 ・2007年現在、U.S.の医療費は一人あたり約$7,800。(約78万円!高っ!ちょうど日本の3倍です。)
 ・GDPよりも高い、年間>6%で医療費が伸びている2大要因は「テクノロジー(高価な物の増加)」と「人件費(医療は労働集約的だから)」だそうです。

面白かったディスカッションとして、「the biggest threat to our fiscal future is "rising health care costs"」というステートメントをどう考えるか、という問いがありました。医療費の増大は、財政を圧迫するけれど、見方を変えれば「経済の活性化」や「豊かな生活(人々の福利厚生に資源を費やしてるわけだから)」とも言える、と。
確実な問題として、(アメリカでは)「費用の増大に比例してサービスの質や効果が向上しているわけではない≒医療サービスの費用対効果の悪化」がありますが。

あと、「医療費が『高い/低い』とか『増える/減らす』はどの角度から考えるかによって大きく変わる」ということも、当然だけれど改めて「ふむふむ、確かに…」と思いました。
例えば、「What is the Costliest Disease in the U.S.?」という質問に対して、治療費の総額がもっとも大きいセグメントとして「心疾患」が“答え”なんだけど、「costliest」という表現がトリッキーで、「誰にとってのコスト(患者?政府?保険機関?社会?)」かっていうことによって答えは変わるし、相対的なコスト(≒費用対効果)を考えるとまた答えは変わってくるだろうし、「目に見えないコスト(失われる労働力etc.)」を考えるとこれまた複雑…
そして、いろんな機関がいろんなデータを発表しているわけだけれど、どのadvocacy機関やagencyも、自分のかかわる疾患領域が最も重要&援助が必要ということを主張したいので、恣意的(?)なデータがとても多いのである。。。

問題について考えるのも労力を必要とするけれど、問題の前提(提示されるデータなど)についてもクリティカルに頭脳を駆使しなければならないのね。。。 そりゃそうだ。

余談ですが、オバマ政権のHealth Care Reformは、≪医療保険に加入していない人を減らす/なくす≫というものですが、一般のアメリカ国民は≪医療費の自己負担額が減る≫と思っているそう。全然違うよね。。。
がんばれオバマ!


② Hospitals~Challenges Faced
HCAという、アメリカ最大の病院チェーンの人(Fuqua卒業生)が来てレクチャー。
チェーンのとある病院がHurricane Katrinaの直撃を受けてからいかに患者をたすけ、すばやく立ち直ったかについて美談の書かれた本も配られました。
ハリケーンの直撃を受けて病院が機能停止に陥った時、機器に繋がれている患者や小児、体重220kg以上の患者などが何人もいたのにかかわらず云々...
けっこう宣伝色の入ったレクチャーだったものの、患者のケアの倫理面&コスト面について両立させることの難しさについて垣間見ました。 どこかで聞いたことのある話だ。
本題と関係ありませんが、220㎏超の患者 ということに衝撃。。。


印象に残った話:
とても効率的&安価サービスな病院経営モデルとして専門病院(インドなどで、眼科手術専門やカテーテル手術専門などの病院が増えており、どれも選択と集中・規模の経済のために高品質低価格のサービスを提供できている)について学生から質問がありました。
HCAの人の答えは、「その手の専門病院については懸念が多い。反対である。」というもの。
理由は、その手の専門病院は利益の出やすい施術や、可処分所得のある人のかかりやすい疾患にフォーカスしており、重要だがお金のかかるサービスなどはneglectする。
もうかる部門(心臓カテーテル等)ともうからない部門(小児、移植等)があるのは当たり前だけど、総合病院であればこれらが(大雑把に言うと)一つの予算で賄われるのでコストをある程度相殺させることができるし、だからこそ赤字施術などを購入可能な価格で提供することができるんです。
儲かる部門が「専門病院」として独立しちゃったら、儲からない部門は立ち行かなくなってしまう。「専門病院」の増加にはそういった社会的リスクがつきまとうので、コミュニティーの健康にコミットしているこの病院チェーンとしては賛成できない、ということ。
今まで私は考えたことのない見かただったのでとても面白かったです。コストカットや効率化を考える際はベネフィットだけではなく、こういった間接的なリスク/負の面についてもじっくり考えることが必要だというのがtakeawayかな。

ゼロサムっていうわけでもないけれど、誰かの享受できるサービスを改善したら、他の誰かのサービスが犠牲になるという状況があるわけで。 
しかも、普通の消費財ではなくて医療なので、人の生死にかかわったり、突き詰めると「倫理」とか「思想」の話になっちゃうのよね。。。
ゼロサム様状態を回避し、うまくベネフィットを増やすことのできるビジネスモデルや政策などを模索しないといけませんね。  むづかしぃ。。。




授業の合間に...
≪HCA sponsored lunch≫  ・・・さっそく企業によるスポンサーランチ。

ちなみに明日は夜、J&J sponsered Dinner, 明後日はMerck sponsered Lunch と Amgen sponsered cocktail reception、水曜日は Daiichi Sankyo sponsered lunch です。
FuquaのHSMコースが業界内でけっこう存在感がある、ということを察しました。。。


③ Introduction to Insurance & the Uninsured
アメリカのMedicare(高齢者用の公的保険)およびMedicaid(低所得者用の公的保険)、保険未加入者などについて基本的なレクチャーを受けました。
超早口英語&食後の眠気のため、完全についていくことはできませんでした…


a0124959_1045171.jpg④ Global Health Work Force Shortages

Jefferey Moe教授!!! 待ってました!!!
数年前からアメリカでは、製薬メーカーがneglected disease 用のdrug(要は儲からない薬)を開発すると、ご褒美としてFDAがそのメーカーの他の薬(いわゆる儲かる薬)の承認審査をかなり速めてくれます。
この制度を敷くことに大きく貢献したMoe 教授。以前はGSKで色々なポジションを歴任。現在はケニアを中心にアフリカの医療サービス向上に奮闘。ケニアに設立するFuqua のサテライト(?)の準備にもかなり絡んでるようです。

今日の授業はアフリカでの医療サービスの悪化、医療サービス人口の絶対的不足について、また、それに対して彼らが(世銀やWHOやアフリカのNGOや戦略コンサルなどと共同で)行っているイニシアチブについて1時間。


⑤今日から始まったHealth Sector Management Bootcamp の各種アサインメントについて説明。
さっそくグループワーク(6人一組。もちっと詳細を今度ブログします)がアサインされた。。。しかも授業中にこれをやる時間はないので、放課後や夜に集まるしかないのだ。。。

期限はもうちょっと先だけれど、以下の課題も課せられた。
 ・テスト(選択問題80問を60分で。)
 ・ペーパー(医療業界で投資するなら?というテーマ3ページ程度の小論文)



夕方からは地元のスタジアムでDurham Bulls の野球戦(3A)を観戦!!
1-0から4-3に逆転したり、期待していたよりずっと楽しかった!!!
いろんなマスコットが登場したりして、わけわからなかったけれど、やっぱり野球は面白いスポーツだわ☆
途中、グランド整備中に相撲力士の着ぐるみキャラが2体登場して、相撲もどきのパフォーマンスを繰り広げていた。
先週のTeppanyaki レストランでも思いましたが、アメリカでは日本文化はいいように解釈され、デフォルメされていますよね。
日本人としては「苦笑…」というかんじです。 Japanese culture is underrepresented here in the U.S. と思います。
なんで日本ばっかりこんな誤解/デフォルメされるんだろ?
中華やコリアンではほとんど見かけない気がしますが。
もしかしたらこの辺に住みついている日本人が少ないからかな?中華系やコリアンは多いもん。ちゃんと自分たちの文化をこちらでも表現/伝達/アピールしているのでしょう… (私の想像)

もはや慣れましたが、今日も「中国から来たの?」と何人もの人に聞かれました。(「日本?」とは誰にも言われなかった)
なんとなく、(ここら辺での)日本の存在感の小ささを感じました。

あ、でも、これまた何人もの人に、(日本人であることをカミングアウトした後)「あぁ、あなたが学年唯一の日本人女性ね!You are the Japanese Queen!」と言われました。
誰が言い始めたのか忘れましたが、日本人同級生13人中、紅一点の私は「女王」ということになっているみたいです。
その割に、パーティーの企画を丸投げされたり、誰にもちやほやしてもらえるわけでは全くないのですが。。。(T T)
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by nina_anin | 2009-07-27 10:30 | HSM
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Duke大学のFuqua School of Business留学日記です


by nina_anin
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