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即興劇の集中授業

2011年の本授業(Spring学期)は来週の木曜日からなのですが、それに先立ち、今週は毎日午前中から夕方まで、Managerial Improvisation という冬期講習を受けています。
5日間の実践的授業で、マネージメントに活かせるImprovisation(即興劇)について学びます。
この授業を昨年受けた数人の日本人同級生いわく、「(1.5年間を通じて)Fuquaで受けたクラスの中で一番よかった授業」とのこと!

Fuquaには多くの「Managerial ○○」というコースがあって、例えば私はこれまでにManagerial Writingを受け、来期はManagerial Accountingという授業を受けます。要は、「経営に関わる人が身につけておくべき○○の技術/知識」の授業ね。

で、Improvがどうマネージメントに役立つかという話。
Improvは、台本も何もない中、役者が舞台上でその場で流れのある劇を即演する芸なわけで、これを成功させるためには役者どうしの信頼感や息が合うことが必要なわけです。
1人の役者が発した台詞なり行動なりを、他の役者が贈り物としてありがたく受け取って、それを更に高めて贈り返すのが鍵らしいです。(まだ講習初日が終わっただけで浅い学びですが)
相手が発した台詞や行動が自分の想定していたものと全く違ったり、自分がそれに増してよいアイディアを持っていたとしても決して「なんでそう来るんだよぉ」とか「そうじゃなくて、△△って言えばもっといい劇になるのに」とかって否定的に思ったり自分の持ってたアイディアに沿うように修正したりしようとせず、「おぉっ、そうくるのね。OK。そして私は…」っていうふうに相手のアイディアを尊重してそれを伸ばすんです。決して「No」と言わず、何事にも「Yes, and…」って受け止めて更に乗っけるの。
「1人の人の素晴らしいアイディアよりも、全員が支えるダメなアイディアの方がいい結果につながる」ってやつ。

だから、セリフなり行動なりを発信する側も、「下手な球を投げても必ず誰かが受け止めるなり、拾うなりしてくれる」って信じて自由にクリエイティブにできるから、結果的にとってもおもしろい舞台になるらしいです。
実際、即興劇のトレーニングをしていく過程で、「変なこと言っちゃっても大丈夫、チームメイトが受け止めて、アホなセリフでも必ず拾ってくれるし、恥かく心配なんてないし、、、」って思えるようになってくると、勇気を持って演じることができるようになって、そのうち楽しくノッてくる、というのを体験します。

で、「『他の役者たちはどんなことをしようとしてるんだろう』って舞台上に神経を行き渡らせて想像を働かせて、自分自身の意思はひとまず忘れて、ひとつの有機的な劇の一部になりきるっていうのもコツのよう。


マネージメントにつながるテークアウェイとしては、「相手のアイディアを否定せず、尊重すること(自分のアイディアに拘らず、素直に聞く耳と受け止める心を持つこと)」とか、「『必ず誰かが受け止めてくれる』って信頼感を持ちあうこと」とかが創造性やチームワークの発揮、ひいては質の高い最終生産物を可能にするよ、ってところかな。

講習は残り4日間分、最終日には各クラスがそれぞれ壇上に上がって即興劇のパフォーマンスを行うという発表会があります。。。 気乗りするようなしないような…

by nina_anin | 2011-01-12 00:50 | Fuqua
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Duke大学のFuqua School of Business留学日記です


by nina_anin
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